筋膜(ファシア)について
2024/08/15
今日は普段ブログやSNSには書かないファシア/筋膜について書いています。
私自身は筋膜の専門の人ではないのですが、これまでヨガで勉強してきたことなど少しシェアできればと思います。
数年前から治療家やボディーワーカーの間で耳にするようになった【ファシア/筋膜】はヨガやその他エクササイズ界隈でも注目されているワードです。(以下、ファシアのことを筋膜と表現します)
昔は医療の世界でも筋膜はあまり重要視されておらず、解剖学の教科書や書籍にも筋膜についての説明はほとんどなかったそうですが、近年はこの筋膜が注目されており、どうやら私たちの体の不調や痛みはこの筋膜と関係していると言われています。。
筋膜は分かりやすくいうと、人体を構成するすべてのものを包む膜(骨や筋肉、関節、靱帯、腱、血管、臓器、神経や細胞など)で、器官と器官を繋ぐネットワークとしてありとあらゆる体内の場所に張り巡らされており、私たちの体の枠組みを作る重要な役割を果たしています。(ちなみにトレーナー業界で有名な筋膜についての書籍を出されているトーマス・W・マイヤーが提唱しているアナトミートレイン、体の中を走る筋筋膜・筋膜の走行は陰ヨガでいう経絡の走行とも類似しています)
私たち人間の体は筋膜というボディスーツを着ているため、例えばどこか一箇所、腰ならば腰の部分のスーツに皺がよるとそこに引っ張られるように全身のボディースーツに歪みが生じ、そこに炎症が生じて痛みにつながります。
筋膜の成分は主に膠原繊維(コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸)や水でできていて本来、筋膜はとてもみずみずしい状態で理想は赤ちゃんの状態ともいいます
(筋肉が少ない赤ちゃんの体に不調がなく、お肌もぴちぴちで弾力性があるのも筋膜のおかげですね)
たっぷりのお水で満たされている筋膜の状態は伸長や伸縮、組織同士の滑走がスムーズに行われます。
逆に筋膜に癒着や萎縮が原因で、体の痛みや凝りにつながります。
膝や股関節の痛み、肩こりや腰痛も筋肉(筋繊維)そのものに痛みを感じているわけではなく、それらを包む膜(筋膜)が炎症をおこして痛みを感じるとも言われます。
その炎症の原因は私たちの生活習慣(偏った食生活や運動不足)で起こります。
動かないまま長時間同じ姿勢や、不適切な姿勢をとり続けることはもちろんですが、筋肉の使い過ぎや筋肉や関節に過度な負荷をかけ続けることも筋膜の炎症をおこす原因となります。
また、筋膜は【クリープ】といってゆっくり動く性質をもっていて負荷のかかった状態で時間の経過とともに形を変えていきます。
ヨガで適切でない姿勢や筋肉の使い過ぎ、ストレッチのやりすぎで関節を押し潰したりしてポーズを長年とりつづけると筋膜の滑走が低下し、それが痛みにもつながりかねません。
(ちなみに慢性的な腰痛があるひとは腰痛がない人と比べて腰の筋膜が約25%厚くなり滑走性が低下していることもわかっています。)
前半に書いた筋膜は水分で構成されているので、私たちの体の中の水がスムースに滑走し流れていくためにも関節にはスペースをもって体を整えていくのが理想です。
スタジオでレクチャーしている陰ヨガではアライメント(姿勢)を適切にとり、筋膜の癒着をリリースするのにも良いゆっくりとした動き(マイクロムーブメント)、ポーズの保持も通常のヨガよりも長く行なうため筋膜をケアするエクササイズとしてはおすすめです。
ちなみに筋膜リリースは強度が強過ぎても弱過ぎても、時間が長過ぎても短過ぎてもほぐれません。
ヨガを継続していくうえで、もし体を変えたいと思うのであればその方の生活習慣や元々の体のベースによって異なりますが、期間が空き過ぎるのはおすすめしません。
週に1〜2回が理想ですが、最低でも10日〜2週に一回、3週間は空かない方がいいです・・(⌒-⌒; )
コツを掴むまでは多少時間はかかりますが、長い目でみて地道にやっていくと体は確実に変わっていくので真剣に取り組みたい方、一緒に頑張りましょう^^